イチゴ「やよいひめ」から採取した酵母で作った新ビールも登場「プリンセスマーチ ロナ」

 群馬県の一季成りイチゴ品種「やよいひめ」から採った酵母を使い、群馬県産の麦芽と、みなかみ町の水で仕込んだクラフトビール「プリンセスマーチ ロナ」が登場した。酵母を利用しているだけなので、イチゴの香りや風味などは無い。

 

今回のイチゴ酵母を利用したビールの他、最近は、ビールに柚子、リンゴ、サクランボ、桜など、様々な果物・野菜を利用したビールが開発されている。

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◎8種類のホップをブレンド醸造
 前橋工科大の善野修平教授がやよいひめから8種の酵母を採取し、同センターが斎藤さんに酵母の利用を提案。県の補助金を活用して、昨年8月に開発に着手した。

 同センターで8種の酵母を使って試験醸造し、ドイツで12年間修行した斎藤さんがすっきりとして雑味のない酵母を選んだ。やよいひめをイメージして、フルーティーな香りになるよう8種類のホップをブレンド。昨年12月に最初のタンクを仕込み、2月に1000リットル、4月には2000リットルを醸造した。

 プロの評価を知るため、日本地ビール協会が主催するJGBAに「ファーストキッス」の名称で出品して金賞を獲得した。ホップも麦芽もぜいたくに使うため、330ミリリットル入りが500円、500ミリリットルが650円とした。

◎特長競う地ビール 各地に醸造
 群馬県内では近年、新しいビール醸造所が誕生するなど、地ビールクラフトビールが盛り上がりを見せる。

 2018年4月には水上温泉の空き店舗を改修して「OCT ONE Brewing(オクトワンブルーイング)」が誕生。みなかみ町の水で仕込んだスタンダードなビールのほか、地元産のリンゴやサクランボを使ったビールも手掛ける。

 地元振興に貢献したいと考える竹内康晴代表は「良い水で造ったビールを通じて、自然の大切さにも気付いてほしい」と話す。

 高崎市若松町では17年2月からシンキチ醸造所がビールを造っている。切り干しダイコンやフキ、サクラなどを使った変わり種のビールも醸造。「ジャパン・グレートビア・アワーズ(JGBA)」ではユズを使ったビールで銅賞を受賞した。

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